うつ病(ウツ病)という精神病

統合失調症の場合、患者本人は病識がない場合が多いので、ご家族からの報告は、医師にとって貴重な情報源です。統合失調症は《治る病気》です。医療機関で辛抱強く、投薬とカウンセリング、作業療法などを続けていくのが肝要です。映画化もされた「ビューティフル・マインド天才数学者の絶望と奇跡」(シルヴィア・ナサー著)の主人公・ジョン・フォブス・ナッシュは統合失調症ですが、ゲーム理論によってノーベル経済学賞を受賞しました。その他にも、世の著名人・芸術家に統合失調症患者は少なくありません。前述したように、統合失調症は、決しておそろしい病気ではなく、治る病気ですし、患者さんは普通の人です。患者さんに対する差別や偏見がなくなる日が、いつかやってくるでしょう。
参考: 精神科医YASU-QのHome Page
http://www2f.biglobe.ne.jp/~yasuq/index_j.htm>  
次に、単極性障害(うつ病)、双極性障害(躁うつ病)についてです。この2つはともに「気分障害」と呼ばれています。文字通り、気分や感情に影響を及ぼすからです。

うつ病の症状や特徴

うつ病は、専門的には《単極性障害》と呼ばれ、抑うつ状態のみが続く状態を示します。(抑うつ状態とは…気分の落ち込み、何も楽しくない、虚しい、などの気分が続く状態のこと。)世の中に存在する様々なストレスにより、誰にでも発症する恐れがあります。生涯を通してうつ病にかかる可能性がある人はだいたい、10人に1人という統計もあります。抑うつ状態が2週間以上続くようでしたら、精神科の受診をしたほうがいいでしょう。「心の風邪」といった表現をよくされますが、正確には、もっと大変な病気です。軽い人でも社会復帰までに3ヶ月〜半年はかかりますが、基本的には治る病気です。長い目で見て治療していくのが一番でしょう。また、この病気で一番怖いのは、《自殺》です。うつ病患者の重症者は、自殺願望(「希死念慮/キシネンリョ」)を抱くことがあり、実際に自傷行為(リストカット、オーバードース)をしてしまうことがあるのです。自殺願望が出た場合、医師と相談して入院をすることもあります。精神科の病棟は24時間医師・看護師・ケアマネージャーなどのサポートが受けられるため、ご家族の負担を軽くするのにもいいですし、何より、患者本人のためにも必要なことです。治す方法は、お薬を飲むこと、そして、何もせずに休むことです。ゆっくりと、自分のペースをつくって、リハビリ、社会復帰していくことが肝心です。併発する症状として、不眠、拒食、過食、自傷行為などがあります。心当たりがおありの方は、こわがらずに精神科医を頼って下さい。

躁うつ病、うつ病の症状と診断・チェック

躁うつ病は、うつ病とはまた違った病気です。《双極性障害》という名前の通り、一番ハイなときと、一番落ち込んだときの差が激しいのです。タイプは、大きく分けて1型と2型があり、・型のほうが波が激しく(躁)、・型はやや落ち着いた感じ(軽躁)、といったところでしょうか。躁うつ病は不思議な病気です。というのも、躁状態が続くことを患者自身は悪いことだと思っていないのです。むしろ、患者本人は歓迎しています。躁状態になると、気分が異様に高揚します。突如「家を買おう」などと言い出すなど、お金をよく使うのも特徴です(それが原因で借金をつくるといったケースも多々あります)。多動にして多弁、アイデアが次々にわき上がり、眠れなくなります。じっと横になっていると、イライラしてしょうがないのです。しかし、躁状態のみがずっと続く例は非常に少なく、たいていの場合、ある時期がくるとうつ状態に転じます(これを鬱転といいます。反対語が躁転)。抑うつ状態となり、うつ病と同じ状態になります。妄想や自殺願望が激しくなると、入院することも考えられます。躁うつ病も、治療は可能ですが長丁場に渡ることが多く、ことによると一生涯にわたり、つきあっていく可能性も考えられる病気です。しかし、世の名だたる作家・芸術家・著名人には、躁うつ病やうつ病の患者がずらりと名前を連ねています。人間は病気を通して、新たな世界を発見することができるのかもしれません。病気とうまく付き合って、自分なりのペースにあった生活を送れること。それが、理想の形なのではないでしょうか。躁うつ病、うつ病の症状と診断・チェックでした。

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